[]真っ白な灰に。




 何がいいたいかというと、この「Something Orange」も全盛期はそれなりにおもしろかったということです。真剣に書いていたから。それがなぜこのような惨状を呈すにいたったのか、すべてはモチベーションに原因があるといえるでしょう。

 ようするにやる気がないのです。書きたくないのです。めんどくさいのです。いやまあ、書きたくないというと語弊があるか。書くことはいつだって楽しくはある。でも、自分を研ぎ澄まして真剣さを突き詰めるほどのモチベーションはもうないんだよなあ。

 真剣な文章とそうでない文章はぼくのなかではまったく別ものなんですよね。必ずしも真剣に書けば良いものが生まれるというわけではなく、やる気が空回る場合も過去いくらでもあったのですが……。でもまあ、こんな「まあ」ばっかり入るテンション低い文章書いているよりましだよね。

 はあ(ため息)。ぼくの人生こんなことでいいのだろうか。こんなやくたいもない文章を書いていてどうしようというのだろう。何だか哀しくなってきた。夜中にブログを更新するとろくなことはないのかもしれない。夜ラブレターを書くなっていうしな……。

 まあ、実質的に対になっている二冊の同人誌を仕上げて、ぼくのなかで何かが燃えつきてしまったんでしょうねえ。『BREAK/THROUGH』と『戦場感覚』、この二冊にはぼくがいま持っているものすべてをつぎ込みました。ほぼ完全燃焼できたと思います。真っ白な灰になれたと思います。

 でも、それでもしばらくすると、ああ、全然だめだったなあ、と思うんですよね。こんなものじゃないだろう、と。ここらへんは業というかどこまでいっても納得できるものではないのかもしれませんが、でもなあ……。

 いやまあね、生まれ持った能力の低さというものはいかんともしがたいわけで、そのなかで全力を尽くせればいいとは思うのですが、山はまだまだ高いなあ、と。ううう、ほんとに哀しいね。

 べつに記念碑的傑作を書きたいとかそういうことではないんだけれどね。仮にそういうものを書けたとしてもしょせんうたかた、須臾の夢に過ぎないのだとは思うし、悠久の時のなかでどれほど意味があることとも思わない。

 しかし――ぼくはただ、生きているうちに「己」という、この、神にあたえられた分際を燃焼させつくしたいのだな。二冊の同人誌でとりあえず手持ちの武器は使いつくしたので、次は武器の補給から始めないといけないと思います。

 「次」は、まあ一年後かなあ。その頃までに既刊二冊を上回るものを書ける確信が抱けていればですが。そのあいだに『人類ブタ科』とか、電書ブックガイドとか、そういうものは書くと思いますが、同じ路線での真剣勝負は一年は無理だと思う。

 あるいはこの路線はもうこれで終わりかもしれません。次は小説とか、そういうべつのフィールで勝負することになるかも。まあ、ぼくは自己満足さえできれば何でもいいのです。富もいらぬ名声もいらぬ。ただ、己の「技」が行けるところまで行けばそれでいい。それだけのこと。

 すべては、神聖なむなしさにささげるわずかばかりの供物。