連載100回目前! いまだからこそ『Landreaall』を読もう。
おがきちか『Landreaall』が今月の『ZERO-SUM』で連載99回目を迎えました。
この記事は、連載100回を目前にしたいまこそ『Landreaall』を読みはじめよう、という内容です。ま、この「Something Orange」を定期的に読んでいるひとなら、『Landreaall』の存在はしっていると思いますが、未読の方はぜひこの機会に読みはじめてもらいたいものです。
簡単に説明すると、『Landreaall』はアトルニア王国とその周辺の国々を舞台としたファンタジー。主人公はアトルニアの王位継承権者のDXと、その妹イオン。かれらがドラゴン退治をしたり、貴族たちの陰謀を破ったり、他国へ出かけていってお家騒動に巻き込まれたりする話です。
と書くとふつうのファンタジー漫画のようですが、これがなかなかひと筋縄ではいかないひねりが加えられていて、読ませます。
いま、連載では、ファンタジーらしく馬上槍試合(トウナメント)が描かれているところ。むかし、トウナメントを主題にした『ロック・ユー!』という映画があったなあ、と思い出したりするのですが、この正当ファンタジーっぽいテーマも、『Landreaall』ではちょっとひねられていて楽しい。
一応、少女漫画ではあるのですが、男性にもオススメできる作品といっていいでしょう。というか、ぼくのまわりの30代男子には非常に好評な作品なのですが、少女漫画、というか女子向き漫画としてはどうなんだろう、と思わせられるところがなきにしもあらず。
たとえば、いま『メロディ』で連載中の樹なつみの『花咲ける青少年 特別編』などを読むと、「そりゃあ、女の子は読んでいて楽しいよなあ」と思わせられる。なるほど、大人の目で見るとつっこみどころはあるかもしれないが、しかし、圧倒的にキラキラしている。
『Landreaall』にはどうもこのキラキラが足りない。表面はドラゴンとか騎士とか姫君とか華やかではあるんだけれど、登場人物がいちいちひねくれているので、そういうものを好む読者じゃないと楽しめないかも。
そもそもメインヒロインであるはずのイオンが、各男性人物から全く恋愛対象として見られていないという時点で、少女漫画としては何か問題があるのではないかという気がする。
この漫画、どういう読者層が読んでいるんだろうなあ。主に女性読者に読まれていることは間違いないけれど、でも、あまり一般的なお目目キラキラ漫画を読む階層には受けない気がする。
少女漫画読みの女子のなかでも、ちょっと変わったものを読みたがるひとに読まれているのだと思います。あとまあ、ぼくみたいなターゲットから外れた例外的な読者もいることはいるでしょうが。
そういうわけで、いまひとつ一般受けしないような作品ではありますが、逆にいえば平凡な少女漫画、平凡なファンタジーに飽き足らない向きにはこのうえなく楽しい作品といえるでしょう。一コマ、一コマに仕掛けがほどこされていたりして、味読に耐えます。
ぜひ、この機会に読んでみてください。オススメです。
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